資金繰り【第3回】
黒字なのに苦しい理由と、資金繰り改善の打ち手
― 短期と長期を分けて考える ―
黒字でも資金が減る瞬間
例として、3月を見てみましょう。
事業計画上は営業利益が出ています(550万円)。
それでも資金繰り表では、大きな支払い超過になっています(▲850万円)。
これは異常ではありません。
原因は一つ。
利益とお金のタイミングが違うからです。
先に支払い、後で回収する。
この構造がある限り、黒字でも資金は減ります。
これを放置すると、いわゆる黒字倒産に近づきます。
資金繰りが苦しくなる原因は2つ
原因は大きく2つに分かれます。
短期的な原因
回収より支払いが先に来る構造。
長期的な原因
そもそも、儲かる構造になっていない。
在庫が多い場合も、短期的な原因に含まれます。
お金が在庫という姿に変わり、戻ってきていない状態だからです。
短期の改善策
短期的な打ち手は、次の2つです。
1つ目は サイトの見直し。
回収を早め、支払いを遅らせる。
2つ目は 在庫の圧縮。
必要なものを、必要な量だけ持つ。
2026年施行の取適法をきっかけに、条件を見直す企業も増えるでしょう。
在庫については、ABC分析が有効です。
長期の改善策
長期的には、損益を良くするしかありません。
方法は2つです。
- 限界利益を上げる
- 無駄な経費を削る
売上だけを追ってはいけません。
値引きで売上を作ると、かえって苦しくなります。
見るべきは、
顧客別・製品別の限界利益です。
どこで稼ぎ、どこで消耗しているのか。
それを知ることで、初めて打ち手が見えます。
出発点はいつも「現状を知る」
何から始めればいいか分からない。
そう感じるのは当然です。
だからこそ、最初にやるべきは調査です。
- 回収サイト
- 支払いサイト
- 在庫
- 限界利益
- 経費の中身
一つずつ、泥臭く見ていく。
すると自然に、「最初の一手」が浮かびます。
資金繰りは、怖いものではありません。
見えるようになれば、対処できるものです。
以上、3回にわたり資金繰りの基本についてお話してきました。
本記事をきっかけに、貴社の資金繰りが改善すれば、これほど嬉しいことはありません。

